「僕はもう、あの双子とは関わりたくない」
全ての始まりはあの 双子だった。
双子がいなければ、あんなことにはならなかった。
懐中時計を手に入れることもなかった。
そもそも、何故僕に時計を渡した?
「ルジ、さん……」
僕がずっとヘイムダルをみていて、村人には注意がいっていなかった。
ミールちゃんが、僕を引っ張り、僕は振り返った。
いない。
村人が一人も。さっきまで、大勢の村人がいたのに。
ミールちゃんはさっきより、震えていた。
当たり前か。
「馬鹿な」
「ルジ、これは……」
まさか、創世者がここまでやるとは。
創世者
それを創り、広め、知り尽くしたもの
権利とは、ソレを執行するための権利
「死というのを創ったのは、あの双子。創るまでは、ひとは不死だった」
「あの双子のチカラは凄いな」
「死は誰もが畏れる『時』。権利がなくとも、できるというのか」
まさか、卑御汰と卑御手の狙いは──
ヴァングの出現?