現実味のない世界
地を照らす青い月
地を這うドラゴン
天を翔ける翼
届かぬけれど 思う 願う 望む
思わなければ ソレは実現しない
そんな 分かりきったことを 今更──
『まだ 早い。だから さようなら』
この 世界は 『歌』
思う力が 全て
─────────
「だって、シルバーを使えば 全てもとに戻るでしょ?」
どこか幼さがのこった、無邪気な笑顔。
それが、逆に恐ろしいと思ったのは今
「使わないと、逝っちゃうけどいいの?」
僕は ゆっくりと口を開く
「お前は 『生の権利者』じゃないのか?」
すると 朔はあざ笑うかのように言った
「ひとなんて、どうでもいいよ」
と。似ている あの双子と
笑顔も、性格も、言動も
どこか 子供じみていて、考えていることは分からない
「戻したらどうなる?」
朔は微笑した
「少し、早くなるだけだよ」
「世界の仕組みが変わるのが」