「そんなことをしたら」
「権利者、創世者が滅びる、だろ?」
「その点は大丈夫だよ。“全ては創られたんじゃない 最初から在った。権利など個々にはない。
一人の創造によって創られた。ラグナロクは存在しなかった”
ということになるから、さ」
「やめろ」
「ルジがシルバーを発動しなければいい」
「あ」
「でも無理か。ルジのその性格じゃね」
こいつは……! あの双子よりも意地が悪い……!
笑ってばかり、無邪気な子供が悪戯をするようにことを進める。
「さぁ、早く。せっかちな姉さん達のことだ。いつもより早く、三途の河が流れるだろうよ」
「お前は、後でころす」
「ご勝手に」
ごめん。カナリア。
でもきっと、僕とルーンはこのままだから。
僕は鞄から『銀の銃』を取り出し、丸い窪みに懐中時計をはめ込んだ。
「発動。 argenteo gabbia ・ type version」