「リミナ、そのものは何だ」

馬にのった男性。
リミナは刀を鞘におさめると、お辞儀をしてから言った。

「このものは、ルナーク領域内で倒れておりました。どうやら、“ラジマ”ではないそうです」
「それは真か?」

男が僕に視線を向ける。

「はい」
「ふむ。属性な何だ」

リミナが男に気づかれぬよう、僕を見る。

「“G”です」

僕は言われた通りに言った。

「まぁ、こやつに“王”がいるわけでもあるまい。ついてくるがよい」

いくぞ、と男性はリミナに声をかける。
リミナはついてこい、と言った。

ほんとうに、変わっている。

 

男は馬にのり、僕達は歩いてついていった。

「リミナさん」
「何だ」
「この世界は何なんですか?」

と聞くとリミナはたちどまった。

「ほんとうに知らないのか?」
「はい」

と答えると、リミナは深刻な顔つきをした。

「この世界は“歌”。歌にチカラがこめられている。──いや、正確にはヒトに、な」

続きを聞こうとしたが、男が呼んだので 僕達は歩き始めた。