「ははっ」

そりゃ笑うか。いきなり、知ったような口を聞いたのだ。

「おもしろいぞ。貴様。私は貴様に興味がある。鍛えてやろう。この私が、な」
「は?」
「は? ではない。この世界で生きていくには『歌』のチカラが必要不可欠だ」

ん? そんなに重要なのか? 戦いでもしなければ、チカラなんて 必要ない。
と、思っていたらまたリミナは僕の思っていることを見透かしたように言った。

「今は、戦乱の世。対立しているのは、ルナークとラジマだけではない。
皆、狙っておるのだ」
「何を」

リミナはにやりと笑った

 

「術だ」


「妖術や魔術、もしくは願いを叶える術とかですか?」


「まさか。そんな、幼稚なものではない」
「え?」

 


「世界は歌。歌はチカラ。そのものに眠るチカラ。『創った』ものではない。

術は 創生 。 創造の権利を得ることができる」


「魔術と同じでは?」


「莫迦な。創造は 魔術を超え、妖術をも超える。 時を総べ、空間をも総べる」