「そんなことはどうでもいい。まずは…………」

考えてなかったな。

「お前の力量をみよう」

いきあたりばったりという奴か? 

「何故です」

戦いなんて、面倒なだけだ。だが、リミナの表情は野獣が獲物をみつけたようだ。

「何事も実践だ。それに、お前は実践慣れしているようにもみえる」

戦いと、いうものは避けてきた。面倒だし、痛いのもいや。相手を傷つけることも。
だから、そんな場面になった時は、とにかく逃げた。時々、時を戻したりして逃げたり。

「では、行くぞ」
「は?」

リミナが刀を抜いた。日本刀だ。妖しく光る、刀。
感じた気は 喰われる と、いう勘


 我 汝 総べる 大地
  震わせ 歌おう 我 力
 
 『 見上げた夜空は闇
  闇に往く 月
  ひとつ 望んで 我願おう
 望む 月と太陽
 願う 太陽と月
  崇めるは 太陽
  見下げるは 月
 聖なる夜の夢の蝶
 まるで ものを惑わす凍蝶のように 』

リミナが歌った