床が光る、亀裂が入る、地鳴がする。
リミナの持っている刀は青白い光を点し、本人を恐ろしく見せる。
「恐ろしいか?」
リミナが妖艶に笑う。勝ったも同然、のような表情をしている。
「いいえ。大きいだけのチカラは『恐れ』にはならない」
リミナの表情が曇る。まるで、誇りを汚されたかのような。
だが、大きいだけでは駄目なのだ。
確かに、リミナのチカラは大きく、気迫もある。
それでは、駄目だ。
ひとが畏れているのはひと
最も恐ろしいものは、『ひとのコトバ』とひとの殺気
ひとが一番、危険回避能力が低いと言われている。
だから、ひとがひとを襲う時は恐ろしい
「僕が見せてあげますよ。ほんとうの『恐れ』を、ね」
「ほう」
刀の光が一層強くなる。炎のように。
床からは、何かが出てきそうなほど地響きがし、天井や壁が悲鳴をあげていた。
「発動。argenteo gabbia ・ space version」
銀の銃がないが、きっとできる。
此処はカナリアの世界なのだから。