嫌だ。こんな世界
諦めた この世界

真っ暗な世界
光は妖しい月

嫌だよ

『姫様?』

暗闇に光をさしたのはだぁれ?


────────

「邪魔しおって。マロニエが」

自分が楽しいと実感できる時は戦っている時だ、と思うリミナ
だから、邪魔されたことに怒る。

だが、どうしてもマロニエに逆らえない理由もある。
思い出しただけでも、寒気がする。

何も見ていない瞳
問い掛けても答えない

「っ……」


「此処にいたか。リミナ」


後ろから 畏れていた声。
ルジのところに居たのでは? と思うがそれはお見通し、というようにマロニエは口を開いた。

「ルジはヴィーラの処に行ったよ。オレは客人よりもお前優先だからな」
「余計な世話だ」
「まぁ、そう言うなよ」

マロニエはリミナの肩を強く掴み、自分を見させるようにした。

「やめろっ。この、臆病ものが……!」
「んじゃ。さよならだな。当分」
「やっ……」

リミナは意識を失った。
倒れ行くリミナをそっと、支えるマロニエ。