「今はどーでもいいのヨ。そんなコト。始めましょう」

ヴィーラは僕の頭を撫でるのをやめると言った。

「リミナも言ってたカモしれないんだケド、チカラを引き出すためには実践が必要不可欠ヨ」

くねくねした喋り方だなぁ。

「アタシと勝負しまショ。ボーヤ」

「勿論、ボーヤのノウリョク使っていいわヨ」
「ボーヤ、って言うのやめてくれません?」

僕は少し、冷ややかに言った。
ヴィーラはクスリと笑う。

「アタシに傷をつけたら、ボーヤの勝ちよ。そしたら、ボーヤじゃなくてルジって呼んでアゲル」
「……約束ですよ」

簡単だ。避け続けて 時間を戻せばいい。
そう、そうすれば勝てると思っていた──

「アハ」


『我等 夜に 従う もの』

「アク・バーンク・シリー 居でよ 『サティ王』」