一人の少年が、ラグナロクを旅立った


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空孤、東洋では天孤が神と崇められ空孤は天孤の引退後だと言う。
厄介だ。話し合いで解決しましょう、なんて聞いてくれるはずがない。

「ルジさん!」

背後からミールちゃんの声が聞こえて来た。
幻聴だ。そうにきまっている。
コートを引っ張られた。
振り返って見ると、ミールちゃんが、いた。

「どうしたの?」
「母から逃げて来たんです! 母は、ルジさんを殺そうとしてます」
「……そんなわけないよ」

僕はミールちゃんを安心させるように笑いかけた。

「どうして」
「ひみつ。さ、行こ」

と僕が言うとミールちゃんはぽかんとしたような表情になった。
ああ、結局こうなってしまったよ。

「色のある世界に連れて行ってあげる」
「──はい!」

でも、これはこれでいいと思うんだ。

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「「あーあ。つまんない。空孤との絡みなし?」」
「姉さん、全て貴女達のせいじゃないか」
「「朔。莫迦ね。私はルジが見たいわけじゃないのよ」」
「だから、全て貴女達のせいだ」
「「……そうかもね」」


ひとつを求める物語が始まった